ごあいさつ

近年、子どもたちを取り巻く環境は、非常に厳しいものとなっています。
国語や算数の出来る子どもが「勉強の出来る子」として、テストで高い点数の子どもが良い評価を与えられます。
常に競争を強いる「企業の論理」が、「学校教育」の中にも侵入してきており、子どもたちは体も心もとても硬直し、しなやかさを失い、閉ざされた状態に陥っています。

その結果、他者と触れ合えない体と心、自由に自分を表現できない体と心が子どもたちを苦しめ続けています。

このような子どもたちが「文学」「音楽」「美術」「体育」「身体表現」という世界の中で、朗読や合唱、絵画など体と心が一体となった芸術表現をすることで、「表現することの楽しさ」「表現することの感動」を体験し、「自分の体と心を開き」「自分を見つめ」「新たな自分とめぐり合い」「他者とつながり」「より良く生きようとする力」を強くしていく場として、柿の木坂芸術学校は存在します。

柿の木坂芸術学校が大切にしていること

文学・音楽・美術・身体表現の4つの教育を中心に、子どもたちの精神力を強いものにします。

文学

ことばの芸術


  • 文学の文章
  • 文章を声に出して読む
  • 文章を書き写す
  • 文章を聴く

このことを繰り返し行うことは、ことばとの関わりを深いものにし、ことばが子どもの身体に染み込み、子どもの心を見事なまでに磨きあげ、豊かな学力が蓄積されます。

音楽

音の芸術


  • 良い音楽と出会う
  • チェロ、琴、馬頭琴を奏でる
  • 合唱の楽しさを知る

「ヒトが人間になるためには芸術が必要です。それはまさに、音楽である」と、多くの哲学者が言っています。素晴らしい音楽をしっかりと教育することにより、子どもたちは、その音楽の持つ質の高い優しさ・強さ・悲哀・たくましさに触れ、豊かに育っていきます。音楽の教育は、生涯の財産になります。

美術・ものづくり

子どもの人格の発達につながる


  • 対象にぐんと近づいて本質を描く
  • 美術鑑賞

美術が軽視される学校教育です。
「美術」の能力は専門家や描くことが好きな子どもにのみ授けられる特殊な能力ではありません。美術教育は、すべての子どもが人間らしく生きていく上での必要不可欠な教育です。すべての外界を自分の目で探求していく力が芽生える児童期に「外界」を見て、「外界」に近づき、「外界」をその子どもらしく  表現することを学ぶことで、認識・思考・感情を調和させ、子どもの内面を豊かにしていくのです。

身体表現

体育


  • マット運動
  • 跳び箱運動

上記を中心に取り組んでいます。
技を学び、技を精いっぱい演じることで空間を構成し、子どもたちが自己を表現し、自己の美しい世界を創りだしていくことをねらいとします。 

「教育としての体育」
中森孜郎著 大修館書店